1919 | アームチェア

Renzo Frau

アームチェア「1919」はシリーズ全製品に製造ナンバーが付いています。構造体には熟成させたブナ心材が使用されています。座面、背面、肘掛のスプリングは、黄麻布ベルト上に固定された手作業で縛ったバイコニカルスプリングを使用しています。座面のパッティングはゴム引馬毛、背面と肘掛のパッド材は手作業で成形された植物繊維です。座面のクッションにはダウンフェザーが使用されています。背面のデザインは手作業のカピトンネ細工によって形成されています。キャスターと金属パーツ(ディッシュホルダーアーム、灰皿、製造ナンバープレート)の仕上げは金メッキまたはガンメタルカラー仕上げのいずれかをお選び頂けます。アームチェア「1919」には2通りのバージョンがあります:小皿無し、灰皿付き、あるいはグラスホルダー付きです(いずれのバージョンでも左右どちらにでも取り付けることが出来ます)。

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画像はイメージです。天然素材の特性上、実際の仕上がりや模様は異なる場合があります

トレー付き

金属部品の仕上げ

張り地 Info

コンセプトとデザイン

デザインされた日付から「1919」と呼ばれるアームチェアは、実際の資料にはコード「128」として登録されています。おそらくピストイア公、フィリベルト・ルドヴィコ・ディ・サヴォイアのためにレンツォ・フラウがオーダーメイドでデザインした作品のようです。特注作品であったにも拘わらず、当初からPoltrona Frauの一般のお客様に最も人気のある家具の一つになりました。クラシックなベルゲール様式のモデルを再解釈した「1919」は元祖のモデルに比べると、背面に使用されたカピトンネにより強い個性を持たせています。もう一つの特徴は足を伸ばすための特徴的なフットレストと有名な愛煙家であった公爵が灰皿を置けるよう考案されたアームレストに備わったオプショナルの小さなレクターンです。

デザイン:
Renzo Frau

レンツォの名で知られるロレンツォ・フラウは1881年にカリアリで生まれました。サルデーニャを後にしてミラノで兵役についたレンツォは、除隊時には歩兵隊中尉となっていました。サヴィーナ・ピサーティと結婚したレンツォは、当時文化的にイタリアの弱点ともいわれていたトリノに居を移しました。当初は、人造皮革の製造業者であるGribaudi社、すなわちDermoide Patent社のセールスの仕事をしていました。仕事で英国に赴いたレンツォは、たまたま目にしたアームチェアのモデル「Chesterfield」の持つ可能性に一目で気づき、イタリアへの輸入業を開始して成功します。けれども同時に、イタリアのモデルや、フランスや中欧のスタイルにも惹かれたレンツォは、自らの職人工房の創設を決意します。こうして1912年に生まれたのがPoltrona Frauです。当初は「スタイル」の仕事をしていたフラウが、直接に企画に乗り出すまでにそれほど時間はかかりませんでした。Poltrona Frauは革製品の生産者となっただけではなく、アーティストや知識人の出会いの場にもなりました。レンツォ・フラウはこうした関係性を活用して、ブランドイメージを堅固にしていきました。こうして次々と人気モデルが生まれたのです。第一次世界大戦がはじまりフラウが軍に召集されると、妻のサヴィーナが勇気をもって会社を率いるようになりました。こうしてFrau社のアームチェアは重要な宮殿でも使われるようになり、ついには王宮でも使われ始めました。レンツォ・フラウは1926年に早世しましたが、彼が遺した数々の企画資料のおかげで、彼の死後も妻のサヴィーナはPoltrona Frauの製品を揺らぐことなく作り続けることができたのです。

カバー材と仕上げ

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